設立趣意書

広島コダーイセンター設立趣意書

子どもを取り巻く環境や社会状況を見るとき,子どもが本当に人間らしく育つことへの危機が叫ばれています。
こうした状況の中で、私たちが求め,実現しようと努力してきたのは,次のようなことです。

子ども一人ひとりが尊重され、すこやかに成長することが保障されること。

子どもの要求に合った美的、教育的環境を整えること

すべての子どもが,幸せな子ども時代を過ごし,円満な人格形成をしていけるようにすること。

今、家族同士や地域でのつながりが失われつつあることにより,子育ての孤立化はますます深刻になっています。
このような時だからこそ,日本に古くから伝わるわらべうたや遊びなどを伝え広めていくことで,大人もこどももコミュニケーションのとりかたを学び,地域や世代間の交流を取り戻すことができるのです。
そのために,新たに「広島コダーイセンター」を設立し,これまで任意団体「サークルじんじん」が行ってきた活動や役割をさらに多くの人々に広め,進めていくものとします。

団体名改名に至るまでの経緯

ハンガリーの作曲家であり,民族学者,教育者であった,コダーイ・ゾルタンの「音楽をすべての人のものに,」という理念をくみ,日本の音樂教育の変革を当初の目的として,1968年東京にコダーイ芸術研究所が設立され,幼児教育現場での,実践活動を開始しました。
その理念に基づき,1990年6月広島に保育研究の任意団体「サークルじんじん」を設立。「じんじん」とは,沖縄のわらべうたで「蛍」を意味します。学習会で「じんじん」を毎回歌ったこと,またその夜,蛍を参加者の一人が見たことで名前がつけられました。蛍のように,仲間が集まり,乱舞(活動)するとすばらしく美しいものになり、灯び続けることで,さらに尊いものになるという思いが込められています。
「サークルじんじん」の活動は,一人ひとりの子どもの人格の尊重,円満な人格形成を援助するという保育理念と理論をもとに,学習会では,参加者一人ひとりが課題を持ち寄り,保育実践のアイデアを出し合い,自分たちにできる範囲での方法論をさぐってまいりました。
その活動は,乳幼児保育の現場や、子どもや教育に対する考え方に変革をもたらしてきました。
今後は,この理念のもとで,対象を保育士のみに限らず,教育者,音楽家,子育て支援に関わる人,親たちなど,子どもの育ちに関わるすべての人に広げることで,子どもが本当に人間らしく育つことを願い,そこに携わることの喜びを持てる人を育て増やしていきたいのです。
ちいさな「蛍」の灯りが,子どもの未来を明るく照らすことと確信しています。

2009年3月1日

 

2009年4月1日より(保育学習会じんじん改め)広島コダーイセンターとして新たにスタートして 3年目を迎えています。2010年4月からは会員を募集して活動をさらに進めています。会員の募集も受け付けています。